鼻の病気・疾患とは
鼻は呼吸器官としての大切な働きを担っています。空気をのどや肺に取り込む際に、外気のチリ、埃をブロックする為のフィルターの役目をしています。
このような症状はご相談ください
- くしゃみ
- 鼻みず
- 鼻づまり
- 鼻がかゆい
- においがわからない
- 鼻や頬が痛む
- 鼻血
- いびき 等
上記のような症状をまねく代表的な鼻の疾患についてご説明いたします。
アレルギー性鼻炎
アレルギー症状を引き起こす原因物質(アレルゲン)を吸入することで、鼻症状を起こすのがアレルギー性鼻炎です。年中症状の起きる通年性と季節性の鼻炎があり、後者はいわゆる花粉症(別項参照願います)が該当します。通年性アレルギー性鼻炎の原因はチリ、埃(ハウスダスト)やダニの糞・死骸などです。ペットのフケやカビが原因となることもあります。
症状
反復するくしゃみ・さらさらの鼻汁・鼻づまりの3つが代表的症状です。他、目のかゆみ、涙が出やすい、のどがむずむずする、咳が出やすいといった症状の多々見られます。
検査
上記症状がアレルギー性かどうかを調べます。患者さんの感じる症状を聞き取ることが診断に当たって非常に重要です。他、鼻の中の観察、採血によるアレルギー検査、鼻水を採取して調べる鼻汁好酸球検査などがあります。
治療
身の回りのこまめな掃除、寝具の洗濯を行い、できるだけアレルギーの原因(アレルゲン)を取り除く事が大事です。治療は症状を抑える薬剤(抗ヒスタミン薬など)の内服や点鼻薬(鼻スプレー)が代表的です。また、スギとダニアレルギーをお持ちの方に限定されますがアレルギー体質を変える方法として舌下免疫療法があります。
副鼻腔炎(蓄膿症)
顔の骨には鼻の周囲に副鼻腔と呼ばれる空洞が数か所あります。この副鼻腔に炎症が起きる病気で急激な症状を来す急性副鼻腔炎と症状が3カ月以上長引く慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に大別されます。風邪症状が先行することが多く、ウイルスや細菌の感染が副鼻腔に起こり発症します。
症状
鼻水(ねばっこい事が多い)鼻づまりが代表的で、他、臭いがわからない、頭や顔の痛み、重たい感じなどがあります。
検査
鼻の中の観察、内視鏡検査、X線検査、鼻水の細菌検査などを行います。
治療
薬(内服や点鼻薬)や鼻の洗浄、薬剤の入ったネブライザー(吸入器)などを使った処置を行います。こうした治療をしても治らない場合は、手術を行う場合もあります。
嗅覚障害
いわゆる、「臭いがしない」状態を総じて嗅覚障害と言います。
症状
「臭いが全くしない、しづらい」といった症状に加え、「味を感じにくい」という症状もありえます。
検査
鼻の中の観察、内視鏡検査、X線検査、静脈性嗅覚検査(注射の検査:アリナミンテスト)も行います。
治療
嗅覚障害は原因によって呼吸性、嗅粘膜性、嗅神経性、中枢性の4つに分類できます。
原因は多種多様で原因不明のケースもありますが、風邪にかかった後や、副鼻腔炎に伴って起きるケースが多いと言われています。原因に応じて、治療は様々ですが、内服薬や点鼻薬による治療が一般的です。
鼻中隔弯曲症
鼻中隔(鼻の穴を左右に分けている壁)が、曲がっている状態を鼻中隔弯曲と言います。
これに伴う自覚症状があると鼻中隔弯曲症と呼ばれます。
症状
鼻づまりを感じるケースが多く、他に、いびき、臭いがわからないなどの症状が出ます。
検査
鼻の中を外から観察することで診断はつきます。見づらい場合は鼻の奥を内視鏡で観察したり、手術を前提とした場合にCT検査を行う事もあります。
治療
症状に対して内服や点鼻薬による治療を行いますが、弯曲を治す方法は手術のみです。
弯曲に伴う症状がひどい場合は、手術可能な病院を受診し、鼻中隔矯正手術を行います。
鼻血
鼻、特に鼻腔からの出血のことです。正式には鼻出血と称されます。
検査
どこから出血しているのかを確認します。内視鏡を用いて出血部位を確認することもあります。貧血や血が止まりにくい状態で無いかの確認の為に血液検査を行う場合もあります。
止血方法
自身で簡単に出来るのは、まずは落ち着いて安静にしながら両方の人差し指で外側から鼻を押さえる事です。出血が片方だけでも目と目の間の位置から鼻の穴の位置までを鼻の穴を塞ぐ様に両側から対称に押さえます。仰向けに寝ると血液がのどに流れ込みますので、椅子に座ることをお勧めします。それでも止血できないことは最寄りの耳鼻咽喉科や救急病院を受診してください。病院で可能な処置は、出血部をガーゼで圧迫したり、薬や電気メスで固めることがあげられます。
※鼻出血が軽度ならば貧血を起こしたり、生命にかかわるようなことはほとんどにありませんが、出血がなかなか止まらない、出血が大量の場合、軽度でも鼻血を頻繁に繰り返す、などの場合は耳鼻咽喉科を受診してください。
※成人の鼻血の場合は多いのが高血圧です。脳梗塞や心筋梗塞など、命にかかわる疾患の危険もあり血圧コントロールが欠かせません。