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頸部・顔の疾患

頸部・顔の疾患とは

頸部・顔の疾患

耳下腺や顎下腺などの唾液腺、甲状腺、頸部のリンパ節など首の領域や口や目が動きづらくなる顔面神経麻痺などは耳鼻咽喉科の領域ですが、ご存じない方も少なくありません。

首のしこり

いわゆる「しこり」とは、腫れ物の総称で、腫瘤(しゅりゅう)と呼ばれます。
首のしこりの主な原因としては、腫瘍や炎症が代表的です。首のしこりは悪性疾患(がんの転移や血液のがんと言われる悪性リンパ腫など)が原因のこともありえます。
首のしこりは、その大きさや生じた部位、痛みの有無などで大まかな診断が可能です。押さえた時に痛みや熱などの症状があれば炎症によるもの、痛みも無いままに急に腫れてきたタイプは悪性腫瘍の可能性もあり要注意です。

首のしこりの検査

はじめに問診をし、急激に腫れたのか徐々に腫れたのか、痛みはあるのか無いのかなどを聴取します。その後、首の触診を行い、しこりのサイズや硬さ、動きやすさを確認します。口の中、鼻、のどにも腫れが無いかを調べます。必要に応じて検査可能な病院で超音波検査、細胞の検査、画像検査(CT、MRI)などを進めます。
首にしこりを触れたならば、耳鼻咽喉科などの専門医の診察を必ず受けるようにしてください。

頸部リンパ節炎

リンパ管は全身に巡っていますがその節々には豆のような形をしたリンパ節があり、免疫機能に関与しています。
首(頸部)には元々、多数のリンパ節があり、口やのどからの細菌やウイルスなどの侵入に備えています。この頸部のリンパ節が炎症を起こして腫れた場合を、頸部リンパ節炎と言います。多くは口やのどの細菌やウイルス感染に起因する炎症です。

症状

虫歯や口の中、のどの炎症などの先立つ症状があり、その後、首に痛みのある腫れを触れるようになる事が多いですが、頸部の症状のみの事もあります。触ると動かしやすい傾向があります。発熱を伴う事もあります。悪性腫瘍からくる腫れの場合は痛みがなく、また触っても動きづらい事が多いです。

検査

状況に応じて、可能な病院で超音波検査、CT、MRI検査などが行われます。リンパ節の細胞一部採取して細胞を見る検査が必要になる場合もあります。

治療

炎症の場合や炎症止めや抗生剤などが選択されます。悪性の場合は、その種類や他の部位の悪性疾患の有無に応じて治療方法は様々です。

唾液腺炎

唾液を作る器官(唾液腺)に炎症が生じた状態で、いろいろな原因で起こります。主な原因はウイルスや細菌の感染です。ウイルス性の代表的なものとしては、流行性耳下腺炎、いわゆる「おたふくかぜ」があります。唾液腺炎を発症すると、口腔内の浄化作用、消化作用などの唾液のもつ機能が低下します。

症状

炎症がある部分の腫れと痛み、口の中の乾燥、唾液の減少などがみられます。発熱を伴う事もあります。

検査

血液検査や必要に応じて検査可能な病院で画像検査(超音波検査、CT、MRI検査など)が行われます。

治療

細菌性、ウイルス性によって治療方法が変わります。炎症止めや抗生剤、痛み止めなどが代表的方法です。

唾液腺腫瘍

唾液腺に生ずる腫瘍は、耳下腺に最も多く、ついで、顎下腺に生じます。舌下腺に生じることは稀です。小唾液腺や舌下腺に生じた腫瘍は口腔内に症状が現れます。
一般に唾液腺に生じる腫瘍は良性腫瘍が多いのですが、悪性腫瘍の場合もあり、特に顎下腺に生じたものには悪性のものが多いことが知られています。

症状

耳の下や顎の下などにしこりができます。口を開ける際に異和感を感じたり、開けづらくなったりすることもあります。耳下腺腫瘍で同じ側の顔面麻痺が起きることもあります。

検査

画像検査(超音波検査やCT、MRI検査など)、血液検査、細胞の検査などが行われます。

治療

腫瘍の種類や大きさによって手術による摘出や薬剤による治療など選択肢が変わります。

甲状腺腫瘍(甲状腺良性腫瘍、がんなど)

甲状腺は生命維持に必要な甲状腺ホルモンを産生しており、甲状腺の病気は、ホルモン産生に関する疾患と腫瘤性病変が代表的です。

甲状腺腫瘍は大きくなると、喉ぼとけの下あたりにしこりとして認められるようになります。診断のためには、血液検査や超音波検査、CTなどの画像検査、細胞を一部採取しての検査などが行われます。その結果をもとに、手術の必要性やその方法を検討します。

甲状腺腫瘍の多くは良性腫瘍ですが、悪性腫瘍もみられ、その種類には様々なものがあります。最も多いのは乳頭がんと呼ばれるもので、比較的進行はゆっくりです。これに対して、未分化がんというタイプは発症率が高くないながらも、非常に進行が早く、治りにくいがんです。

顔面神経麻痺

顔面神経の麻痺により顔の筋肉が運動麻痺を起こした状態を顔面神経麻痺と言います。原因疾患が明らかな症候性顔面神経麻痺と、原因がはっきりしない特発性顔面神経麻痺とに分けられます。
突然、片方の目が閉じづらくなった、口角(唇の端)が下がって水分が漏れるなどが発症の典型的なパターンです。単純ヘルペスや帯状疱疹のウイルスが原因として挙げられる他には外傷、耳下腺腫瘍、脳腫瘍、脳梗塞が原因となる場合もあります。原因がはっきりしないケースも多々あります。様々な原因で顔面神経が腫れることによって顔面神経が圧迫され、これによって麻痺が生じると考えられています。

症状

突発的な片側の顔面の運動麻痺が主な症状です。その結果、額(ひたい)にしわを寄せられない、眼を閉じられない、口角が垂れ下がる、口角からよだれが垂れる、などの症状が生じます。

検査

典型的な顔の表情に現れるため診断は比較的容易です。原因精査の為にMRIなどに画像検査を行うこともあります。

治療

副腎皮質ステロイド剤の内服や点滴が代表的です。その他に、血流改善剤、ビタミン剤などが用いられます。リハビリテーションや顔面のマッサージ療法も重要です。